掲示板 Nov.2022
blur_linear冬の養生と東洋医学
冬は中医学では五臓のうち「腎」と関係性が強いと考えられています(図)。腎臓機能としてのホルモンの分泌や水分代謝だけでなく、東洋医学ではさらに気血の調整の役割が有り、人間の成長や老化に深く関与しているため、冬の冷えで「腎」の働きが弱まると老化を促進してしまうことになります。
「東洋医学は、つながりとバランスの医学です」
立冬は冬の始まり
暦では立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までのおよそ3か月間が冬となります。
寒さが厳しいこの季節、東洋医学ではエネルギーの消費を抑え気血といった栄養成分を「貯める」時期となります。そのため、冬は春夏のように積極的な行動を控えめにし、適度な運動や栄養を補い春に備えることが大切となります。
食養生
かぼちゃ、人参、春菊、ブロッコリーなどの旬の食材に黒豆、黒ごま、黒米、黒酢などを使った料理がおすすめとなります。
また、寒い冬は、鹹味(塩味)を好みますが、塩は陰陽では陽となり温める作用がありますが、寒の性質もあるため摂り過ぎに注意が必要となります。
寒邪と燥邪
体に害を及ぼすものを邪といいますが、冬の寒さを「寒邪(かんじゃ)」、空気の乾燥を「燥邪(そうじゃ)」といい、粘膜や皮膚にダメージを与えます。冷たく乾いた空気が強くなることで、カゼなどの感染症が増えるのもこのせいです。
保温保湿し適度な運動で気血の力を高め、十分な栄養と休息で無駄な消耗を防ぐようにすることが大切となります。
暦や旬というと現代の生活の中では、古い習慣のように感じてしまいますが、暦や旬は、自然環境と体をつなぎ、楽しく健康に生きるための指標になります。
院内に掲示している内容を加筆し掲載しております。
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